17.守護者

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扉の先は、いきなり上へ行く階段が現れた。 本当にただの出入り口なんだな…。 一応警戒しながら上がっていく。 魔物使いってレベル高いかな?この腕輪の効力があればいいけど…。 そんな心配は、階段を登った先の部屋の扉を開けた瞬間に無くなった。 「どういうこった??」 護衛の兵士二人と、おそらく魔物使いと思われる大柄な男が仰向けに倒れていたのだ。ルファスが駆け寄って、可愛い腕を伸ばして男の首元から脈を確認する。 「死んではいない。だが外傷が見当たらないところを見ると薬か?」 「兵士二人は死んでる…。しかも剣で急所を一突きだ。まさか俺たちの他に侵入者が?あの抜け道を知っていたってことかよ?」 「あの女の話ぶりからして、抜け道の話をしたのは我らが初めてのようだった。つまり他の情報筋から聞いたか、もしくは…」 「もともと抜け道の存在を知っていた?」 「あり得ない話ではないな。どうする?」 どうするもこうするも…やべぇな。大蜘蛛(ガーディアン)の気配がしない理由もわかっちまった。 「ルファス、下に戻るぞ」 「何!?」 「いや…やっぱりルファスは上に行け。んでダイル王を探して欲しい。どんな人物か知ってるか?」 「…うむ。人間の王にしてはやり手だと感じたな」 「会ったことあんのか?」 「面と向かったわけではない。だが探してどうする?」 俺は「ちょっと待て」と言って羊皮紙にメッセージを書く。ダイルならわかるはずだ。 「これを渡して欲しい。頼めるか?」 ルファスは黙ってメモを受け取ると、頷いた。
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