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扉の先は、いきなり上へ行く階段が現れた。
本当にただの出入り口なんだな…。
一応警戒しながら上がっていく。
魔物使いってレベル高いかな?この腕輪の効力があればいいけど…。
そんな心配は、階段を登った先の部屋の扉を開けた瞬間に無くなった。
「どういうこった??」
護衛の兵士二人と、おそらく魔物使いと思われる大柄な男が仰向けに倒れていたのだ。ルファスが駆け寄って、可愛い腕を伸ばして男の首元から脈を確認する。
「死んではいない。だが外傷が見当たらないところを見ると薬か?」
「兵士二人は死んでる…。しかも剣で急所を一突きだ。まさか俺たちの他に侵入者が?あの抜け道を知っていたってことかよ?」
「あの女の話ぶりからして、抜け道の話をしたのは我らが初めてのようだった。つまり他の情報筋から聞いたか、もしくは…」
「もともと抜け道の存在を知っていた?」
「あり得ない話ではないな。どうする?」
どうするもこうするも…やべぇな。大蜘蛛の気配がしない理由もわかっちまった。
「ルファス、下に戻るぞ」
「何!?」
「いや…やっぱりルファスは上に行け。んでダイル王を探して欲しい。どんな人物か知ってるか?」
「…うむ。人間の王にしてはやり手だと感じたな」
「会ったことあんのか?」
「面と向かったわけではない。だが探してどうする?」
俺は「ちょっと待て」と言って羊皮紙にメッセージを書く。ダイルならわかるはずだ。
「これを渡して欲しい。頼めるか?」
ルファスは黙ってメモを受け取ると、頷いた。
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