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「はは…。わかりました。頼みますよ…」
グラハムとレイドが覚悟を決めた時だった。
微かだが床に振動がして、ジェネラスが立ち止まった。そして、
「ほう…。あやつめ、二発目の極大魔法を放つとはな…。さすがアルマ様の娘と言ったところか…」
ボソボソと口走った。
「あやつ…?仲間のことか?」
レイドの問いかけに、ジェネラスは答えない。
代わりに、
「遊びは終わりだ。私も予定があるのでな」
そう言った瞬間、今までの力が霞むくらいの闘気を放ち、ジェネラスが突進してきた!!
「んな!?」「早い!!!」
ものすごい圧力、そして速さだ。
あっという間にレイドたちとの間を詰めると、闘気を込めた剣を振るう!!
「ぐぁあああ!!!」
レイド、そしてグラハムの分身二人を一度になぎ払った。二人とも、反応できずにモロにその攻撃を食らってしまう。
そのまま天井に激突、そして床に無防備に落下し、倒れた。
「ぐ…」
二人から、血が流れる。
グラハムの分身は消え去り、先程自分に使った身体強化で魔力はほぼ尽きかけていた。碌な回復魔法を使うことができない。
レイドはというと…
「ふん。しぶとい」
全身血まみれ、それでも立ち上がる意思を見せていた。足はガクガクと震え、剣を杖代わりに使って、なんとか立っている状態だ。
たがフードの奥の眼は闘志を帯び、ジェネラスを睨む。
「はぁ…はぁ…死んでたまるか…」
あのゴブリンに、三度会うまでは…!
「よかろう。その闘志に敬意を評し、我が全身全霊の一撃を持って冥土の土産とするがいい」
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