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ジェネラスのその顔は、レイドとそう変わらない歳だと推測される。グラハムは初めてその表情を見た。そして短いながらも、相棒と認めた男の最後をこの目に焼き付けようと顔を上げる。
「さらば、騎士たる者よ」
「ぐ…すみません…レイド…!!」
ジェネラスの剣がレイドに振り下ろされ…。
グラハムは手を伸ばし、最後の足掻きとわかっていて、それを制しようとする!!
剣の先端がレイドの首に触れる…!!
…と、その時だった。
ガシャァァン…!!と天井から何かが落ちてきたのだ。そしてその何かが床に激突し、砂煙を巻き上げた。
「痛ってぇぇえ…!あんのバカ魔族!!ぽんぽん極大魔法使いやがって…!!」
人が、落ちてきたのか…?
甲高い、聞いたことのない声が煙の中から聞こえてきた。グラハムは回復をしながら、落下してきたところを覗き込む。
ジェネラスは、少し動揺していた。
今、このエントランス内は、自分の『空間支配』の領域内だ。中から出ることはできず、侵入もできない………はずなのだ。
自分と同等か、上の実力者でなければ。
そんなはずはない。
何かの間違いだろう。
そんな人間がいるとすれば、この場にいないもう一人の天騎士レイリックぐらいだ。
だが煙が晴れた先、そこにいたのは…
一匹のゴブリンだった。
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