20.たかがゴブリン

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グラハムは、ポカーンとその光景を見ていた。 あの、ジェネラス将軍が尻餅をついた?しかも不意の一撃を躱しながら反撃するなんて…。 「おい、えーとグラタンくん?レイド、そのままだとやべぇぞ。お前、回復魔法使えねぇのか?使えるんだったら急げよ」 グラハムが呆気に取られていると、そう声をかけてきた。 そうだ!と、ある程度回復できた体を起こし、レイドに駆け寄る。酷い有り様だ…。だが死んではいない。 「エル・タロス」 今自分ができる、最低限の回復魔法をかけた。すると、「ゲホッゲホッ」と咳き込みながら、レイドは息を吹き返した。 「それ、ジェネ坊の仕業か?もしかして裏切りかよ?」 「ジェネ…坊?は、はい。ジェネラス将軍はどうやら我々の敵に回ったようです。意図はわかりませんが…」 「魔族と組んだってことかよ…」 ガルが最後に言った、魔族と組んだという言葉に衝撃を受けるグラハム。ますます頭が混乱してくる。 「貴様…何者だ…」 フラフラと、ジェネラスは立ち上がってガルに問いかけてきた。先ほどのカウンターが、かなり効いているようだ。 「俺は…今はただのゴブリンだよ。そんなことよりジェネ坊!まさか人間を裏切るとはな。剣の天才児がどうしてそうなった?」 「ふふ…。私を子供扱いするか。しかも、ゴブリン風情が…死をもって償ってもらおう…!!」 ジェネラスは再度、スキルを展開する。 ガルによって穴が空いた空間を修復、そして剣を背負い、狙いを定める!!
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