20.たかがゴブリン

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「うおっ!消えた」 「危ない!避けてください!!」 ガルがいた場所に剣が振り下ろされ、轟音と共に床に大穴が開く。ガルは直前でそれを察知し、その場から消えていた。 「なっ!?」「え!?」 それに驚いたのはグラハム、ジェネラス共にだった。特にジェネラスは、相手の完全に死角からしかも不意を突く攻撃を避けられたことに信じられない、といった表情だ。 「ふーん。そういうスキルか。せこっ」 「っ!!」 今度はジェネラスが不意を突かれる。そしてまたも顎に蹴りを食らい、意識が飛びそうになるが気合いでなんとか踏みとどまった。次の攻撃をしようとスキルを… 「させるかこのっ!!」 使用する直前に次は腹に蹴りを入れられ、壁に激突した。 「…すごい」 グラハムは、素直にそう思ってしまった。自分たちは、ジェネラスが消えたあとの間を狙って攻撃に転じていた。だがあのゴブリンは、スキルを発動する間もなく攻撃している。 レイド以上の速さ、そして力だ。 「あんまりかまってられん、グラ…ハムだ!!グラハム!応援は呼べないのか?」 「名前を覚えていただけて光栄です。それがジェネラス将軍の能力で、今はエントランスから外部と交信ができない状態です」 「ならあいつぶっ飛ばせばいいってことか?」 「え…ええ」 「わかった。ならすぐ済むからさ、城の南に増援送るように頼んでくれ!つか聖騎士は何やってんだよ?教会は昔も今も碌な働きしねぇな!!」
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