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『×××、それだけはダメ』
俺の考えていることを察したのか、アルマが言う。見えないので、どんな表情をしているかわからないが、きっと怖い顔でこっちを見ているんだろう。
『大丈夫、こんなところで死んでたまるか。約束したろ?帰ったら…』
『ちょっと!フラグ立てないでよ!あ、来た!!』
グオオオオ…とアルマのさらに後ろから唸り声が聞こえてくる。
記憶しているのは、その巨躯な身体だった。
見た目は大きな狼といったところなのだが、何せでかい。
漆黒の闇。
奴はそう呼ばれていた。
その名の通り、全身が真っ黒で吸い込まれそうな赤い瞳を光らせ、歴戦の勇者をバッタバッタとなぎ倒していった。
ラスボス、そう言うには差し支えないな。
だが、これまでアルマと共に、数々のバケモノを倒して来た。
勇者の中でも、俺たちは抜きん出ていたはずなのに、このザマだ。
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