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はぁ…。
面倒なことこの上ないが、確かにコソコソするのは性に合わねぇし、悪い話ではない。
…急がば回れ、か。
誰が考えたんだよ、その言葉。
「…わかったよ」
「っ!!本当か!?」
「その代わりだ」
「おう。なんでも言ってくれ!」
あんな小さなサンドイッチで足りるかよ。
「腹減ってんだ。飯食わせろ」
そう言うと、俺以外の連中は顔を見合わせ、間を置いて大笑いを始めた。
「はっはっは!!わかった!あ、それと出発はいつにする?まだ時間的には猶予がある。だがユヅキ様のことを思うと遅くはなれない。どうだ?」
「明日には発つ。俺だって急ぎたいんだ。でもルディにも一応報告はしておきたい。テッドも待ちくたびれてるだろうからな」
「さすが、仕事が早いね。ルディってのは仲間かい?まあ詮索はしないよ。ああ…食事だが、この街の食事処を好きに使ってくれて構わない。すでに街の住民にはお前のことを知らせてある。私の名でね」
マジか。食い放題万歳じゃねぇか!!
「あ、レイドはどうすんだ?」
そういえば、と壁際のレイドに目をやる。
「気にするな。師匠のところにでも身を隠す」
あ!シュラウルドか。
「よろしく言っといてくれよ。今度会いに行くってな」
「そういえば知り合いのようだったな。なんて伝えるんだよ。お前、ゴブリンだぞ?」
んーそうだな…。またメッセージを送るか。
「…ファルシオンを折ったのは俺だ。すまん、と伝えてくれ」
「…??」
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