28.西の大陸へ

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エルシオと明日の予定を立てる。朝一番でエルシオが西の大陸へ転移してくれるらしい。今はまだ三時。時間はある。とりあえず飯だ!! 「城の追っ手のことは心配するな。ここにまでは入りこめない」 ほうほう。なら安心して食いまくれるな。 俺たちはエルシオと別れ、さっそく食事処を探す。 すると街の案内を、いつかのチンピラであるバンズくんがしてくれた。俺がゴブリンだということに街の住民ともども驚いていたが、エルシオが手を回してくれていたこともあり、酒も入って少し話していたら仲良くなった。 ほとんどがエルシオはすごいんだぞ、という話ばかりしていたな。 まあ、ここでは割愛しておく。 飯はどれもまあまあ美味かった。でも、テッドとの約束を忘れたわけではない。 「ルファス、ルディのとこに転移できるか?」 一通り食事処を巡り終わって、ルファスにそう頼む。時刻は六時前だ。腹もまだまだいける。 「お前…。レイドから腕輪をもらったのだろう?もう自分で…」 「あ、そっか」 久々の転移だな…。 行き先をイメージし、空間魔法でその場所へ空間を移動する。 実は使える人はあまりいない。 イメージを間違えば、亜空間に取り残され二度と帰って来れなくなる。魔力を意外と消費するのもその理由だ。上級攻撃魔法ほどの消費量なのだ。 王立アカデミーの上級魔道士の資格がいるとも聞いたことがある。俺は持ってねぇけどな! なので転移魔法陣を使って移動する人が多くを占める。魔法の術式を編み込んだ自動転移装置。 それも魔法陣から魔法陣への転移なのでイメージは必要ない。ただ空間を渡るだけな便利な装置だ。 不便な点、と言えば設置してある場所が限られているということだ。さらに、設置するにはかなりの資金と高度な術式を編める魔道士が不可欠なので、乱立はできない。なので主要都市が主な設置場所になっている。
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