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ドゴォオオン…!!
と、少し離れたところで音がする。
『あいつ、自分の根城を崩壊させるつもりなのかな?』
『もしかしてバレてない?ワンチャンあるかもな』
『何か思いついたの?』
『さっき、右手と引き換えに"命力"を込めたやつをぶっ放した』
『めい…!!アンタあれほどダメだって…!』
『ありゃたぶん効いてる。そっから急に暴れだしたし、それにほんの少しだけだ。代償は高くついたけどな』
俺はあるはずもない右手を持ち上げた。
血を流しすぎたな…。
もう…。
『そうだとしても、これ以上…』
『アルマ』
『何よ?』
『残りの魔力、全部よこせ』
『は!?』
『早く!!』
『だって…!もう!!』
アルマから暖かいものが流れてくる。
左手に触れたそれを、強く握りしめた。
この人は、死んでも守る。
『さ、どうすんの?これで私の…』
『アルマ、ごめん』
『え?』
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