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『転移、アルマ』
『んな!?』
アルマからもらったわずかな魔力で、アルマを転移させる。
見えないが、明るく光っているのがわかった。
『×××!!何してんの!!このっ……!!』
バシュっと音がして、それは消えた。
そして、奴の足音だけが聞こえてくる。
『すまない、アルマ』
足音が、俺のすぐそばで止む。
グルルル…と、獣特有の唸り声がする。
だが聞いたことのない、おぞましい唸り声だ。
『よぉ…。俺の最期のあがきに付き合ってくれや』
俺は身体の中の全ての"命力"を、左手に込めた。
その名の通り、命を力に変える。
この世界で、俺にしかできない自爆技みたいなもんだ。
『グオオオオ!!!』
その意味に気づいた"ヤミ"は、俺に襲いかかる。
『おせーよ。クソ野郎!!』
手に込めたものを、思い切り放つ。
目の前で閃光が走り、奴の叫びが聞こえた。
『さようなら、アルマ。愛している』
…そして、世界は光に包まれた。
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