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森に入って少し。低い崖の下に緩やかに川が流れている場所を見つけ、そこにルファスが焚き火を作る。今日はここを寝床にするか。
仮面の奴はこれまたルファスが魔法で拘束して、その辺に放置した。
今日はもう眠い…。
俺は飯と尋問を明日に回し、カバンを枕に横になる。
飯がない事に文句を言うかと思ったが、ルファスも木に寄りかかり目を閉じていた。
あいつ、ちゃんと辺りを警戒しながら寝てやがる…。器用な奴だな。まあ、それに甘えさせてもらおう。
あーーマジでベッドで寝たい。
改めてそう思いながら、俺は深い眠りについた。
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ルファスはゆっくりと目を開ける。
一応、探索魔法で辺りを探っているが、今のところ追っ手などは近くにはいない。
焚き火の方に目を向けると、これまでの疲れが出たのだろう。全くの無警戒でそいつは寝ていた。
一匹のゴブリンにこれほど興味をそそられるとは、初めての経験である。
ゴブリンとは思えない戦闘能力と知識。そして魔力探知能力…。
また人間のように振る舞い、人間に対して全く敵対心を持っていない。さらにグルメときた。
こいつといれば、いい暇つぶしになる。
ルファスは警戒をしながらも、微笑みながらまた目を閉じた。
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