6.追跡者

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しばらく森の静寂の中で茶をすすっていると、 「不思議な、コンビだな」 と仮面の奴が口を開いた。 全くその通りだな、と思う。 俺は特に反応しなかったが、代わりにルファスがそれを口火に尋問を始めた。 「貴様、名は?」 「……テッド」 「リコの街の者か?」 「ああ」 「その仮面はなんだ?」 「………」 言いにくいのか、説明が難しいのか、テッドと名乗る…おそらく少年は黙る。 ただの仮面ではない。十中八九、魔道具の一種だ。 ルファスも同じ考えなのだろう、それを咎めることはせず、 「どこで手に入れてどんな効果があるのだ?」 と聞き直した。 だが、少年は尚も黙る。 「その沈黙は私には無意味だ。意味がわかるか?」 「……っ!?」 俯いていたテッドが顔を上げる。 一部の魔族には、幻術のような魔法を操る者もいて、それの応用で自白を促す魔法もあると聞いた。 だがテッドの仮面のような魔道具には、一種の"呪い"が施された物もあり、その使用者がなんらかの方法で自白を強要された場合、命を落とす…。そんな物騒な代物も中にはあった。 そのリスクを取らずに、ルファスはあくまでテッド自身に自白させようとしている。 甘い魔族だなー。 俺のせいか?
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