6.追跡者

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ズルル…と、俺が茶をすする音が響く。 おい、ルファス。そんな目で見るな。俺は話せないんだからしょうがねぇんだよ。 「…盗んだ…ことになんのかな…」 と、テッドから視線を外していたら、ボソッと白状した。 「ある時期サーカスの一団が街に滞在してて、そこのテントにこれがあった」 「ほう」 「興味本意で顔につけたら…取れなくなったんだ」 「呪いのアイテムだったわけだな」 うん。俺も思春期の少年の頃、同じようなことをして何度呪われたか…。よく死ななかったな…。 「でも、これって盗むことにはならないよな?だってそんなつもりなかったから…」 「すぐにそのサーカスの誰かに言えばそうだったかもしれんな」 「……だよな」 ぷぷっ。人間の少年が魔族からお説教の図だよ…。おっと睨むなルファス…。不謹慎だ。やめろ?俺。 「そこからだ…。なんか魔物とか魔族とか、その…分かるんだよ」 「分かる?」 「どこにいて、何をしているかが。百メートル範囲ぐらいかな?」 「魔の生物を探知できる、そういうことか?」 ん?それなら聖騎士が使える聖属魔法に近い効能だ。あれもどういう原理かわかってねぇけど…。 「それだけじゃない。俺は俺の意思で気配を断てるようになったんだ。その…魔物や魔族限定だけどな」 にゃんと!!
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