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ズルル…と、俺が茶をすする音が響く。
おい、ルファス。そんな目で見るな。俺は話せないんだからしょうがねぇんだよ。
「…盗んだ…ことになんのかな…」
と、テッドから視線を外していたら、ボソッと白状した。
「ある時期サーカスの一団が街に滞在してて、そこのテントにこれがあった」
「ほう」
「興味本意で顔につけたら…取れなくなったんだ」
「呪いのアイテムだったわけだな」
うん。俺も思春期の少年の頃、同じようなことをして何度呪われたか…。よく死ななかったな…。
「でも、これって盗むことにはならないよな?だってそんなつもりなかったから…」
「すぐにそのサーカスの誰かに言えばそうだったかもしれんな」
「……だよな」
ぷぷっ。人間の少年が魔族からお説教の図だよ…。おっと睨むなルファス…。不謹慎だ。やめろ?俺。
「そこからだ…。なんか魔物とか魔族とか、その…分かるんだよ」
「分かる?」
「どこにいて、何をしているかが。百メートル範囲ぐらいかな?」
「魔の生物を探知できる、そういうことか?」
ん?それなら聖騎士が使える聖属魔法に近い効能だ。あれもどういう原理かわかってねぇけど…。
「それだけじゃない。俺は俺の意思で気配を断てるようになったんだ。その…魔物や魔族限定だけどな」
にゃんと!!
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