6.追跡者

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「なるほど。それで貴様の接近に気づかなかったわけだな」 「ああ。実はリコの森にあんたらが入った瞬間から、認知していたんだ」 リコの森? 「でも後を付けていたら盗賊にファーラが襲われてて中断しちまったけど…」 ああ、あの森のことか。 てかファーラ??その時の娘の名前か? 「街での騒動は?」 「…そのファーラを街に送り届けて、あんたらを探しに行こうとしたらさ、酔っ払ったファーラの親父が切りかかってきたんだ。あいつの親父は酒癖悪くてよ…。店の中まで入ったのがいけなかったなぁ…」 「ならばあの時の魔力の暴走…」 「俺は魔法が一切使えねぇからな。たぶんこの仮面のせいかもしれねぇ…。感情が爆発すると、たまに魔法が勝手に発動するんだ」 危ねぇもん拾ったな…。 街にこいつとは一緒に行かねえ…。 「やばいと思って逃げてる途中、またあんたらに会ったってとこだ。まあ聖騎士を呼ばれるような事態にならなかったのは不幸中の幸いだな」 「そうか」 ルファスは頷くと、俺を見た。 うん。経緯は分かった。 聖騎士が来ないってのもわかって安心だ。 俺もルファスに頷き返し、もう話は終わりにして出発しよう……と思ってたら、仮面の…テッドから馬鹿言うんじゃねぇ、寝言は寝て言え的なことを言われた。 「なあ、俺も一緒に行っちゃダメか!?」 「ガァ?」 馬鹿言うんじゃねぇ、寝言は寝て言え!!
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