1.ゴブリンB

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ーーくそまずいことになった。 死んだはずの俺が目を覚まし、見えないはずの目で周りを見渡して状況を確認したところ、1番に思ったことはそれだった。 「おい!あいつ動いたぞ!」 「まだ生き残りがいたのか」 「隊長、どうしますか」 目の前10メートル先ほどには、冒険者風の男が3人。 装備を固め、おそらく俺にヘイトを向けている。 ここはどこかの森の中だろうか?足下にはゴブリンどもの死体が数体転がっていて、俺はその中心にいた。 「やれ。あいつを倒したら任務完了だ」 「はい」 そう言ってその内の1人が俺に矢を放ってきた。 いきなりかよ!! 俺はとっさに失ったはずの右腕を動かし、その飛んできた矢を掴む。 やけに細くて緑色をした腕が生えたもんだ。誰かが再生してくれたのか? 「っ!??」 「なんだ!?あいつ、この距離から放たれた矢を掴んだぞ!?」 「俺がやります!」 今度は別の1人が剣を抜いてこちらに突っ込んで来た。 俺は矢を捨てて、その辺に転がっているゴブリンが持っていた棍棒をひったくり、構える。 「でぇあああ!!」 遅い。 叫びながら振り下ろしてきたそいつの剣を掴み、棍棒で胴に軽く食らわせる。 「ごっふ!?」 「何!?」 ありゃ? 身体強化もしていないのにそいつはうずくまって動かなくなった。 しけた防具を身につけてんな…。
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