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ーーくそまずいことになった。
死んだはずの俺が目を覚まし、見えないはずの目で周りを見渡して状況を確認したところ、1番に思ったことはそれだった。
「おい!あいつ動いたぞ!」
「まだ生き残りがいたのか」
「隊長、どうしますか」
目の前10メートル先ほどには、冒険者風の男が3人。
装備を固め、おそらく俺にヘイトを向けている。
ここはどこかの森の中だろうか?足下にはゴブリンどもの死体が数体転がっていて、俺はその中心にいた。
「やれ。あいつを倒したら任務完了だ」
「はい」
そう言ってその内の1人が俺に矢を放ってきた。
いきなりかよ!!
俺はとっさに失ったはずの右腕を動かし、その飛んできた矢を掴む。
やけに細くて緑色をした腕が生えたもんだ。誰かが再生してくれたのか?
「っ!??」
「なんだ!?あいつ、この距離から放たれた矢を掴んだぞ!?」
「俺がやります!」
今度は別の1人が剣を抜いてこちらに突っ込んで来た。
俺は矢を捨てて、その辺に転がっているゴブリンが持っていた棍棒をひったくり、構える。
「でぇあああ!!」
遅い。
叫びながら振り下ろしてきたそいつの剣を掴み、棍棒で胴に軽く食らわせる。
「ごっふ!?」
「何!?」
ありゃ? 身体強化もしていないのにそいつはうずくまって動かなくなった。
しけた防具を身につけてんな…。
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