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妙な三人組だな…。
あのあと「ついて来れなければ置いていく」とだけ言ったルファスは、しぶしぶテッドの同行を許可した。
んで今は何も無い荒野をひたすら走っているんだけど…。
なんか飛ぶスピードが早まってないか?ルファス。
俺のこと忘れてもらっちゃ困るぞ?
まあ、俺はまだ大丈夫だけどさ…。
チラッと後ろを見る。
「はあっ!!はあっ!!」
と息を粗くしながらテッドはなんとかついて来ていた。それで一山越えられるのかよ?もう限界じゃね?
つか先頭を飛んでるルファスにも行き先は伝えてないけど、あいつどこに行く気なんだ?
方向は確かに合ってるが…。
まあ、あいつなりにテッドを試しているんだろう。
お?川だ。
ちょうど山の入り口だな。ここで昼飯とするか。
「ええ!?!?」
俺はさらに加速して飛び上がり、ルファスの前に出ると下を指差した。下を見るとテッドが息を切らしながらもポカーンとこちらを見上げている…ように見えた。
「飯か?」
ルファスの言葉に空中で頷き、そのまま下に着地した。
うーん。こりゃ確信に近いな…。ていうか間違いない。
「はぁ…はぁ…なんつーゴブリンだよ…。てか本当にゴブリンなのか?」
「ガァ?」
やっぱお前もそう思う?
俺に追いついたテッドが驚きの表情…はわからないが、そう言葉をかけてきた。そして上から降りてきたルファスがなぜか誇らしげに言い放つ。
「ははは。珍しいだろう?こいつはスキル持ちだ」
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