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なんだよ、ルファスも気づいていたのか。
「そ…そんな魔物、聞いたことがねぇ…」
スキル持ち。それは人間や魔族に与えられた加護だ。特殊能力とも言える。
それは魔力とは違っていて、本人の資質に会ったスキルが生まれつき備わっている。また、訓練や才能により開花する者もいた。
まあ、一部の竜族や高位の魔物も持っているが。
そして俺のスキルは、人間だった頃と何ら変わらなかった。
気づいたのはあのレイドとか言う剣士やトロルとの戦闘の時だ。
いくら基礎体力が並みの人間より優れているとは言え、今はたかがゴブリン。あそこまでの動きはとてもじゃないができないだろう。
「恐らく基礎戦闘力を上げるスキル、またはそれに似たスキル所有者であろう?」
んー。ちょっと違うけど、まあ合ってるかな。
「げっ。そんなゴブリンに喧嘩売ったのか。だが納得するしかねぇ…。あんた何者だよ?」
「ガァ」
とりあえず説明するのが面倒だったので、食事の用意を始めた。
ルファスもそれ以上は詮索せず、黙って焚き火を作る。テッドは疲れたのかその場に伏せてしまった。
「あーー。俺もそんなスキル持ちてぇ~!」
まあ、魔法とは違い、スキルは消費するようなモノではない。身体強化の魔法は有限だし、この焚き火もルファスの魔力が切れれば消えてしまう。
テッドがそう言うのも、尤もなのだ。
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