7.スキル持ちと秘宝

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とりあえず川で水を汲み、水筒に入れる。 俺はカバンからコップを取り出すと、ルファスに手渡した。 昼飯は簡素に。 冒険者だった頃の癖で、朝と夜は量が多め。昼はいつでも動けるようにする為にと、どうしても簡易的な物になってしまう。 まあ、時と場合にもよるが…。 今日は先を急ぎたい。なので予め、朝にサンドイッチを作っていた。 …二人分だがな。 テッドには悪いが干し肉でも食べていてもらう。 火は好きに使えばいいと、親指を焚き火に向けた。 「ありがとう。このままで大丈夫だ」 特に文句も言わず、干し肉にかじりつく。 うんうん。自分の立場を理解して来たな。 話せばわかる奴らしい。 つかやっぱ魔法が使えないのもそうだが、この話せないって状況もなんとかなんねぇかな…。 不便で仕方がねぇよ…。 「えっと…。ゴブリンの旦那」 ん? 変な呼び方をするなぁ…。 「ガウ?」 「俺たちは何処に行ってんだ?そもそもなんで魔族と一緒に旅してんだよ…?」 さぁ?なんでだろうな? 「おい人間。気安く話しかけるな。お前と馴れ合うつもりはない。そこの……」 そこまで言ってルファスは黙る。 そこのなんだよ? 「そういえばお前、名前はあるのか?」 ルファスはそう言って首を傾げた。 あーーそっか。 そういやルファス、俺のこと"お前、お前"ってばっか呼んでたもんな。んー。そうだな~。 「ゴブリンに名前?つか知らねぇで一緒にいたのかよ!!」 「黙れ。どうなんだ?名前は?」 テッドの言葉にバツを悪くしたのか、少し語気を強めて聞いてくる。
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