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とりあえず川で水を汲み、水筒に入れる。
俺はカバンからコップを取り出すと、ルファスに手渡した。
昼飯は簡素に。
冒険者だった頃の癖で、朝と夜は量が多め。昼はいつでも動けるようにする為にと、どうしても簡易的な物になってしまう。
まあ、時と場合にもよるが…。
今日は先を急ぎたい。なので予め、朝にサンドイッチを作っていた。
…二人分だがな。
テッドには悪いが干し肉でも食べていてもらう。
火は好きに使えばいいと、親指を焚き火に向けた。
「ありがとう。このままで大丈夫だ」
特に文句も言わず、干し肉にかじりつく。
うんうん。自分の立場を理解して来たな。
話せばわかる奴らしい。
つかやっぱ魔法が使えないのもそうだが、この話せないって状況もなんとかなんねぇかな…。
不便で仕方がねぇよ…。
「えっと…。ゴブリンの旦那」
ん?
変な呼び方をするなぁ…。
「ガウ?」
「俺たちは何処に行ってんだ?そもそもなんで魔族と一緒に旅してんだよ…?」
さぁ?なんでだろうな?
「おい人間。気安く話しかけるな。お前と馴れ合うつもりはない。そこの……」
そこまで言ってルファスは黙る。
そこのなんだよ?
「そういえばお前、名前はあるのか?」
ルファスはそう言って首を傾げた。
あーーそっか。
そういやルファス、俺のこと"お前、お前"ってばっか呼んでたもんな。んー。そうだな~。
「ゴブリンに名前?つか知らねぇで一緒にいたのかよ!!」
「黙れ。どうなんだ?名前は?」
テッドの言葉にバツを悪くしたのか、少し語気を強めて聞いてくる。
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