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緩やかな山道をひた走る二人と一匹。
いや、そのうち一人はお空の上だ。
相変わらず魔法に頼りっきりのズルい奴。
つかルファス、さっきと違ってテッドが無理しないでいられるペースで先導しているな。試すのをやめたか?
「ルファスの奴、大丈夫かよ」
ほら、こうして走りながら話せるぐらいに余裕がある。
ん?
「ガァ?」
なんでこいつがルファスを心配してんだ?
「さっき言い忘れてたけどよ、魔女の森っていや、魔族避けの結界が張られてあったはずだぜ。有名じゃねぇか。魔族嫌いの魔女ってさ」
「??」
知らねぇ…。
少なくとも最後に会った時まではそんなことは無かった。
何か心境の変化でもあったのだろうか?
ま、それも会えばわかる。
それにルファスほどの奴が、魔族避けの結界だけで森に入れないことはないだろう。
気にせず先を急ぐ。
日が傾いてきた。
やはり今日は山を越えるだけになりそうだな。
湖まではこのスピードならあと三時間ってとこか。
今みたいな獣道ではなく、街道を行けばもしかしてもっと早いかもしれないが、誰かに見られて目をつけられたら面倒だ。
特に後ろの仮面の奴。
もし街に行くことがあったらこいつは留守番係に決定だな。
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