8.魔族嫌いの魔女

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緩やかな山道をひた走る二人と一匹。 いや、そのうち一人はお空の上だ。 相変わらず魔法に頼りっきりのズルい奴。 つかルファス、さっきと違ってテッドが無理しないでいられるペースで先導しているな。試すのをやめたか? 「ルファスの奴、大丈夫かよ」 ほら、こうして走りながら話せるぐらいに余裕がある。 ん? 「ガァ?」 なんでこいつがルファスを心配してんだ? 「さっき言い忘れてたけどよ、魔女の森っていや、魔族避けの結界が張られてあったはずだぜ。有名じゃねぇか。魔族嫌いの魔女ってさ」 「??」 知らねぇ…。 少なくとも最後に会った時まではそんなことは無かった。 何か心境の変化でもあったのだろうか? ま、それも会えばわかる。 それにルファスほどの奴が、魔族避けの結界だけで森に入れないことはないだろう。 気にせず先を急ぐ。 日が傾いてきた。 やはり今日は山を越えるだけになりそうだな。 湖まではこのスピードならあと三時間ってとこか。 今みたいな獣道ではなく、街道を行けばもしかしてもっと早いかもしれないが、誰かに見られて目をつけられたら面倒だ。 特に後ろの仮面の奴。 もし街に行くことがあったらこいつは留守番係に決定だな。
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