8.魔族嫌いの魔女

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まずは腹ごしらえ。 今回で生肉は最後だ。あとは燻製肉とソーセージ、パンも早めに食べた方がいいか。 本当は野菜も摂ってバランスのいい食事ってのをしたいのだが、旅の途中は仕方ないのだ。 「うぅ~なんかこの辺りだけ妙に寒いよな…」 リコで買った最後の肉を頬張りながら、テッドは腕をさする。 確かに冬でもないのにやけに冷える。それにこの魔力濃度…。トロルの巣よりも濃いぞ…? そして…霧?のようなものが湖に浮かんで、なんともホラーな雰囲気だ。 「クク…。かなり威嚇されているな」 「威嚇?」 「私のせいかもしれぬ。噂は本当であったか」 魔族嫌い…か。まさかもう、結界とやらに引っかかってるのか? 「仮面の、お前はなんともないのか?」 「何がだ?」 「む…?この魔力濃度の中でケロッとしているな」 「……??魔力?なんだ?」 「……いや…いいんだ」 ルファスは少しツラそうにおにぎりを食べている。なんかあいつの周りだけ特に魔力が濃い。いや、濃すぎる。 逆にテッドの周りはそうでもない。 それでも濃いことには変わらないが…。 仮面の効能か?本人は平気そうだ。 「クク…。もう見られているようだな」 「えっ!?魔女にか!?」 「この威嚇がその証拠だな。これ以上踏み込むなら容赦はしない、とな…」 んーー。あいつそんなに魔族が嫌いなのか…。 耐性がある魔族すら酔わせる魔力。 相変わらずすげぇな。 ルファスはここに置いていくべきか? 「ガル殿。心配には及ばんぞ。これしきの…オロロロロ……」 「うわぁーーー!!ルファスが吐いたぁ!!」 うん。置いていこう。
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