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まずは腹ごしらえ。
今回で生肉は最後だ。あとは燻製肉とソーセージ、パンも早めに食べた方がいいか。
本当は野菜も摂ってバランスのいい食事ってのをしたいのだが、旅の途中は仕方ないのだ。
「うぅ~なんかこの辺りだけ妙に寒いよな…」
リコで買った最後の肉を頬張りながら、テッドは腕をさする。
確かに冬でもないのにやけに冷える。それにこの魔力濃度…。トロルの巣よりも濃いぞ…?
そして…霧?のようなものが湖に浮かんで、なんともホラーな雰囲気だ。
「クク…。かなり威嚇されているな」
「威嚇?」
「私のせいかもしれぬ。噂は本当であったか」
魔族嫌い…か。まさかもう、結界とやらに引っかかってるのか?
「仮面の、お前はなんともないのか?」
「何がだ?」
「む…?この魔力濃度の中でケロッとしているな」
「……??魔力?なんだ?」
「……いや…いいんだ」
ルファスは少しツラそうにおにぎりを食べている。なんかあいつの周りだけ特に魔力が濃い。いや、濃すぎる。
逆にテッドの周りはそうでもない。
それでも濃いことには変わらないが…。
仮面の効能か?本人は平気そうだ。
「クク…。もう見られているようだな」
「えっ!?魔女にか!?」
「この威嚇がその証拠だな。これ以上踏み込むなら容赦はしない、とな…」
んーー。あいつそんなに魔族が嫌いなのか…。
耐性がある魔族すら酔わせる魔力。
相変わらずすげぇな。
ルファスはここに置いていくべきか?
「ガル殿。心配には及ばんぞ。これしきの…オロロロロ……」
「うわぁーーー!!ルファスが吐いたぁ!!」
うん。置いていこう。
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