11234人が本棚に入れています
本棚に追加
/2201ページ
『そこで止まれ』
お?
「おっおいルファス!お前何か言ったか?」
「………」
「ん?ルファス!」
ルファスはとうとう膝をついてしまった。
作り出した炎も小さく弱々しい。
『立ち去れ。今なら間に合うだろう』
「誰だ!?ま…まさか魔女か!?」
魔女だろな。頭の中に響くような声。
俺が初めてこの森に来た時も同じ演出をしていた。
「……大…丈夫である。ガル殿」
いや、大丈夫じゃねぇだろ。
お前ほどの奴が参ってしまうとか、本当にあいつは…。
「だ…旦那、どうするんだよ?」
ま、あの時と同じなら対処法も同じだろ。
俺はその辺の手頃な石を手に取り…
『ふふん。何をする気だ小さき者よ…。無駄だやめて…痛たぁぁぁあ!!!!???』
俺が投げた石が無事ヒットしたらしい。
前方の木の間から、ガサッドンッ!!と音がして、そいつは姿を現した。
「い…てててて…」
「旦那!?こいつは!?」
「魔女か?ガル殿…お見事」
「ガウ」
俺たちの視線の先で、見た目は十四〜五才くらいの美少女が尻餅をついていた。
長い黒髪は乱れ、木の上に隠れていたせいだろうか?少し奇抜なデザインのローブには木の葉がたくさん付着している。あと身長に見合わない長い杖…それも前と変わっていない。
頭に石が当たったのか、頭をさすっていた。帽子は魔女の足元に落ちている。
「痛ぁ~い!もう…!なんてことしてくれんのよ!!」
相変わらず騒がしいな、ルディ。
最初のコメントを投稿しよう!