8.魔族嫌いの魔女

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「くらえぇぇえ!!」 氷塊が放たれる寸前、俺はテッドの背後に回り込み、盾にした!! 「旦那!?」 「えっ!?」 ギュルンっ!!!っと音がして、氷塊はテッドに当たる直前で消える。 さすがのルディも驚いたようだ。 「何、それ?そいつ、なんなの?」 「だ…旦那…。そりゃねぇぜ…」 「ガゥイ」 悪い、とテッドの肩を叩く。 俺は敵意がないことをアピールする為、両手を広げながら、再度ルディに近づいて行った。 「だから…寄るなって!!」 今度は小さめの氷塊を数発放つ。 これならテッドは必要ないな…。俺は飛んで来るそれを全て避けた。 後ろで「うおっ!?うおぉ!?」って声が上がったが、気のせいだろう。 そしてルディの五メートルほど手前まで来た時だった。 「ふぅん…。わかったわ」 ルディは俯き、氷を作り出す手を下ろす。 観念したか?と思った瞬間、 「ガル殿!!!」 む!? 「消えろぉ!!!!」 ルディの指が光り、目の前が真っ白になる! 俺は何かに押され、地面に思いっきり倒れ込んだ。 この光、転移魔法か!? やがて光が収まり、顔を上げると霧が晴れていた。 月明かりが俺たちを照らし、静寂が辺りを包む。 そして眩しさから目が慣れる頃、テッドが呟いた。 「…ルファス?」
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