11234人が本棚に入れています
本棚に追加
/2201ページ
「くらえぇぇえ!!」
氷塊が放たれる寸前、俺はテッドの背後に回り込み、盾にした!!
「旦那!?」
「えっ!?」
ギュルンっ!!!っと音がして、氷塊はテッドに当たる直前で消える。
さすがのルディも驚いたようだ。
「何、それ?そいつ、なんなの?」
「だ…旦那…。そりゃねぇぜ…」
「ガゥイ」
悪い、とテッドの肩を叩く。
俺は敵意がないことをアピールする為、両手を広げながら、再度ルディに近づいて行った。
「だから…寄るなって!!」
今度は小さめの氷塊を数発放つ。
これならテッドは必要ないな…。俺は飛んで来るそれを全て避けた。
後ろで「うおっ!?うおぉ!?」って声が上がったが、気のせいだろう。
そしてルディの五メートルほど手前まで来た時だった。
「ふぅん…。わかったわ」
ルディは俯き、氷を作り出す手を下ろす。
観念したか?と思った瞬間、
「ガル殿!!!」
む!?
「消えろぉ!!!!」
ルディの指が光り、目の前が真っ白になる!
俺は何かに押され、地面に思いっきり倒れ込んだ。
この光、転移魔法か!?
やがて光が収まり、顔を上げると霧が晴れていた。
月明かりが俺たちを照らし、静寂が辺りを包む。
そして眩しさから目が慣れる頃、テッドが呟いた。
「…ルファス?」
最初のコメントを投稿しよう!