8.魔族嫌いの魔女

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そこは少し開けた場所だった。 以前はこの広場でお茶会なんかをしたもんだと、懐かしさがこみ上げてくる。 「お、おい魔女!!ルファスをどうした!?」 だがその声で我に帰った。 そうだ。ルファス…。 周りを見ても、今この空間には三人しかいない。 俺とテッド、そしてなぜか肩で息をしている魔女。 「はぁ…。はぁ…。ふふん!なぜ魔物を庇ったのか知らないけど、目障りだった奴が消えてそれはそれで良しね…」 ルファスが、俺を庇った…。 そしておそらく強制転移させられたんだ。 普段のルファスなら跳ね返すこともできたはず。 だが誰がどう見ても弱っていた。きっと俺を突き飛ばすのもやっとだったろう。 そこまで情が移っていたのか? 奴といたのはほんの数日だ…。 俺だって魔族というだけで毛嫌いしていた。だがルファスのような奴もいるとわかったら、少し考えを改め始めていた。 完全に信用していたわけではない。 でも妙な仲間意識が芽生えていたのも事実。 「さ、バカな魔族と同じ目に遭いたくなかったら、さっさと森から立ち去りなさい!」 ルディのその言葉に、カチンとくるぐらいには俺も情が移っていたようだ。
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