8.魔族嫌いの魔女

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ルディはその場に浮かび、魔力を練りだした。 おそらくさっき放った強制転移の魔法だろう。 だがそれにしては出力がでかすぎる。 もしかしてただの転移ではないのか? 「大人しく帰ってれば助かったのに、バカな魔物…」 ルディは不敵な笑みを浮かべて掌を俺に向ける。 そして光だした瞬間、俺は地面を蹴った。 「えっ!?」 ガギィン! 杖でなんとかガードしたな。だが今ので地面に強制的に落とす。まだまだ。 「きゃっ!!きゃあっ!?!?」 着地と同時に攻撃。魔力を練る隙を与えないように、剣を振るう。 あくまで牽制。肌を切らないように寸でのところを狙って次々と技を放った。 「ちょっと…きゃっ!!い…!?」 ガギィイン!!!! 杖を吹き飛ばす。これで魔力と詠唱補助が無くなった。もう大技は撃てねぇはずだ。 俺はさらにスピードを早める。 「うっ!?……っ!?きゃ…!?」 ルディは腕で顔を守りながらズルズルと後退していき、ドンっと木に背中をつけた。 「あっ!?」 ルディがその木に振り返った瞬間、俺はわざと大きく剣を振りかぶり、それに気づいたルディは慌ててしゃがみ込んだ。 それを見計らって横に一閃。 「っ!?」 ズル…ズルル…ドシィィン…!! ルディの頭から上の位置で、木を切り倒した。 「す…すげぇ…」 とテッドが呟く。 少しやりすぎたかな?
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