9.魔女の家

7/10

11234人が本棚に入れています
本棚に追加
/2201ページ
俺だっていろいろ聞きたいことがあるが、それよりまずこの"話せない"って状況をどうにかする必要があった。 いちいち羊皮紙に書いて…なんて気が遠くなりそうだ。 あといろんな場面で不便でしょうがない…。 「ゴブリンになる呪いなんて聞いたことないけど…。ちょっと口開けて?」 俺は言われた通りに「アー」と口を開いてルディに見せた。ルディは魔法で光を作りだすと、俺の口の中を診察?しだした。 「ふ~ん…。どこからどう見てもゴブリンね。疑いようがないわ」 「アウワ…??」 んなこと分かってる!どうすりゃいいんだよ!! 「う~ん。ゴブリンには声帯がないのよ。もし話せるようになりたいなら新しく作る必要がある」 ほうほう…。 「もしくは…擬似声帯を魔法と薬草で形成させるか…。うん。こっちの方が良さそう。手術しなくて済むし」 えっ!?手術!? そんな物騒な話になるところだったのか!? 「それとも…手術する方がアナタの好み?」 ブンブンと首を横に振る。 冗談じゃねぇ!!どんなM男だよ!! 「フフ…そこまで嫌がらなくてもいいのに…。ん~でもそれだと困ったわね…」 「ガァ?」 ルディは立ち上がると、後ろにあった机の引き出しを開けて「やっぱり…切らしてるみたい」と呟いた。 なんか…嫌な予感がする…。
/2201ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11234人が本棚に入れています
本棚に追加