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俺だっていろいろ聞きたいことがあるが、それよりまずこの"話せない"って状況をどうにかする必要があった。
いちいち羊皮紙に書いて…なんて気が遠くなりそうだ。
あといろんな場面で不便でしょうがない…。
「ゴブリンになる呪いなんて聞いたことないけど…。ちょっと口開けて?」
俺は言われた通りに「アー」と口を開いてルディに見せた。ルディは魔法で光を作りだすと、俺の口の中を診察?しだした。
「ふ~ん…。どこからどう見てもゴブリンね。疑いようがないわ」
「アウワ…??」
んなこと分かってる!どうすりゃいいんだよ!!
「う~ん。ゴブリンには声帯がないのよ。もし話せるようになりたいなら新しく作る必要がある」
ほうほう…。
「もしくは…擬似声帯を魔法と薬草で形成させるか…。うん。こっちの方が良さそう。手術しなくて済むし」
えっ!?手術!?
そんな物騒な話になるところだったのか!?
「それとも…手術する方がアナタの好み?」
ブンブンと首を横に振る。
冗談じゃねぇ!!どんなM男だよ!!
「フフ…そこまで嫌がらなくてもいいのに…。ん~でもそれだと困ったわね…」
「ガァ?」
ルディは立ち上がると、後ろにあった机の引き出しを開けて「やっぱり…切らしてるみたい」と呟いた。
なんか…嫌な予感がする…。
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