3393人が本棚に入れています
本棚に追加
「んー。
なんでもないよ。
でも、課長と付き合うなんてないよ」
そうしんみり言った。
課長が私なんか好きになってくれるわけないし。
それ以前に、あのトラウマを克服しなければ。
他所で練習して来なくていいんだぞ、という昌磨の言葉を思い出す。
課長でも無理なのに、他所で練習なんて出来るわけないじゃないですか。
そう思いながら、
「じゃあ、またねー、拓海。
なんだかわからないけど、心配してくれて、ありがとう」
と手を挙げ、歩き出す。
「いやっ、おい、花音っ」
という声が聞こえた気がしたが、もう女子トイレに入ってしまっていたので、拓海はそれ以上追ってはこなかった。
最初のコメントを投稿しよう!