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「ただいまー」
今日は特に用事もなく、店に寄ることもなかったので、早めに帰宅した。
すると、ソファで兄が寝ていた。
「まだ居た」
と呟くと、彰人は顔の上に乗せていた本を退け、
「ほんとに彼氏ができると冷たくなるな、妹ってのは」
と言ってくる。
「彼氏なんて出来てませんけど?」
彰人は起き上がりながら、
「昨夜の情熱の貴公子はどうした」
と言ってくる。
「なんで知ってるの、お兄ちゃん。
課長があのときの情熱の貴公子だって」
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