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「なに?
課長の心配してるの?」
「……なんでやめたのかな、と思っただけだ」
花音はソファの背に手をかけ、兄の側にしゃがんだ。
「もしかして、お兄ちゃんも聴きたい?」
ふいにあのとき、珍しく熱心に拍手していた彰人を思い出したので、そう訊いてみた。
彰人は答えなかった。
「ほんと。
課長、なんで表舞台に出なくなったんだろ?」
そう呟くと、驚いたように、
「お前、聞いてるんじゃないのか」
と言ってくる。
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