降ってきた恋

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「今度、機会があったら、課長に訊いてみるよ」 と言うと、 「いや、訊かなくていい。  訊かないお前だから、側に置いてるんだろうからな」 と言い、ぽんぽんと頭を叩いてきた。  何処か昌磨の仕草にも似て見えた。  だからかな、と思う。  課長の仕草に、口調や顔つきとは裏腹な親しみやすさを感じていたのは。 「なんで私を側に置いてるのか、ねえ。  私が可愛いからとか?」 と笑ってみせたが、 「そりゃないだろう」 とバッサリ切り捨てられる。  ……お兄様。  冗談ですよ、もちろん。  身内は厳しいな、と花音は思っていた。
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