3372人が本棚に入れています
本棚に追加
/416ページ
靴を洗い終えた花音は、塀を乗り越えて家に戻ろうとしたのだが、拓海に止められた。
仕方なく、門から帰ると、兄が呑気に木陰で、ハンモックに揺られていた。
今風のお洒落なハンモックだ。
いつか店で見たことがあるが、確か、結構高かった、と思いながら側に行く。
「どうしたの、それ」
「買った」
これを試そうと思って帰ってきたんだ、と言う。
「暇そうね、お兄様」
と言いながら、えいっ、とハンモックを引っ張り、自分も乗ってやろうとする。
「無茶するな、こらっ」
最初のコメントを投稿しよう!