ハニートラップ

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   結局、花音は呑まなかったので、自分も呑まなかった。  車は会社に置いていたので、二人で歩いて戻る。  途中で、花音が、あっ、と声を上げた。 「スマホがないっ」 「店か?」 と訊いたが、店でも見た覚えはないと言う。 「会社かな?」  しょうがない、見に上がるか、と言った。 「う、あのエレベーターですよね」 と花音は言う。 「うん。  でもまあ、夜は綺麗だぞ」  そうなんですけどね、と花音は呟く。
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