ハニートラップ

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 うーむ。  夜中の会社に、夜中のエレベーター。  どっちもやだな。  花音は昌磨の後をついてエレベーターに乗りながら、びくびくしていた。  会社にはもちろん、一晩中人は居るし、エレベーターもガラス張りなので、或る意味解放的なのだが、やはり、ちょっと怖い。  なんでこんなことに。  ああ、私がスマホを忘れたからか、と思う。  花音は、エレベーターに乗ると、扉の方を向いた。 「花音」 「はい」 と振り向かずに、答える。
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