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「見てみろ。
綺麗だぞ」
「き、綺麗なのはわかってます」
「もったいないな」
と昌磨は夜景を見ているようだった。
そうっと顔を半分だけそちらに向けると、昌磨と目が合い、笑われた。
「高所恐怖症の奴というのは、想像力が半端無いんだろうな」
と言ってくる。
「はあ、そうなんですかね?」
「暗がりにもいろいろ居るんじゃないかと思って、妄想するんだろ」
「……ないものに怯えてるのはわかってますよ」
と言うと、
「いや、ないことはない」
と昌磨は言い出した。
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