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「お前が俺とキスできないのは、本当は、引っかかってることがあるからじゃないのか?」
「え」
昌磨はひとつ溜息をついてから、床を見ながら言った。
「俺はお前と出会ってから、自分の嫌なところばかり発見するよ」
「奇遇ですね。
私は課長と出会ってから、課長のいいところばかり発見してますよ」
ちょうどいいですね、と花音は微笑む。
「楽天家だな」
いっそ、呆れたように昌磨は言った。
「はい。
悩んでも後悔しても、しなくても、同じ一日ですから。
だったら、楽しく生きた方がいいです」
「花音」
「はい」
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