ハニートラップ

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 シートベルトを締めながら、昌磨は、 「わかった。  とりあえず、もう今日は送ろう」 と言ってきた。  ほっとして、 「は……」  はい、と笑顔で言いかけたとき、昌磨が助手席に手をかけ、身を乗り出してきた。  思わず、逃げようとした花音の腕をつかむ。  そのまま唇が重なった。  花音は、閉じた目を開け、確認し、また閉じた。  ……昌磨さんだ。  拓海じゃない。  昌磨さんだ。
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