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二人の乗った車はすぐに着いた。
あのとき見た昌磨のマンションだ。
それを見上げながら、花音は言う。
「隣の部署の成田さん、同じマンションなんですよ。
知らなかったんですか?
課長らしいですねー」
昌磨の後について入りながら、
「ちなみに、江波さんも知ってました。
成田さんと親しいので」
と告げる。
『なにがついでよ』
あのとき、香穂はマスカラをコームでとかしながら言った。
『課長の家、あんたんちとは反対方向でしょ。
すぐそこみたいだし』
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