ハニートラップ

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「手だけか」 「顔も好きです」 「うん。  そういう訂正はやめろ」  花音は目を開け、昌磨を見つめて言った。 「全部好きです」 「……最初からそう言え」  昌磨は花音の頬にその手で触れ直すと、口づけてくる。  もう逃げようなんて思いは湧かなかった。  昌磨の腕に抱きしめられ、花音は言った。 「なんで、助けたの自分じゃないって言ってくれなかったんですか。  こんな回りくどいことして」
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