3400人が本棚に入れています
本棚に追加
「お兄ちゃんが、相手からキスされるのが嫌なら自分からしてみろって」
「してみろ」
「いや、真顔で言わないでください……」
できませんよっ、と言うと、昌磨は花音を抱いたまま、窓際に行くと、掃き出し窓を開けて、ベランダに出る。
「ほら、此処も高いぞ」
「やめてくださいっ。
端に行くのは~っ」
「夜景も綺麗だ」
「無理ですって!
こんな外でなんて、人から見えるかもしれないしっ」
「あのエレベーターなんか、外から見えるうえに、監視カメラまでついてるぞ」
それでもお前、やろうとしたんだろ、と言われる。
ほら、と自分をうながす昌磨を見つめ、黙っていた。
最初のコメントを投稿しよう!