2章 醜悪

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僕は地元から一駅隣ということで、ある程度土地勘はあった。 そのため家の場所はすぐに分かった。 暫く歩いていると 「気持ち悪い」と道の真ん中にしゃがみ始めてしまった。 危ないので端に寄せようとすると、「立てない」 と両手を広げ上目づかいで、こちらを見る。 抱きついて立ち上げた方が楽だが、流石にまずいと思い、手を持ったが立ってもらえず結局抱きついて立ち上げた。 きっとこの頃からだろう、この女性を気になら始めたのは。 あざといわかりつつも、騙された。 端に寄せ近くの自販機で水を買い飲ませてあげた。 「ありがとう」の言葉が妙に色っぽい。 なんだかんだで家の前まで送った。 どうやらお酒はある程度抜けたらしい。 麗さんは家の扉を開け「ありがとう!迷惑かけたから今度ご飯奢るね!」と笑顔でそのまま帰宅した。 帰る頃には時間は27時になっていた。 僕は二日酔いになっていた。
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