1章 始まり

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仲良くなり盛り上がりがピークになった所で 麗さんが眠ってしまった。 お酒は強くないのに、今日はかなり呑んでしまったらしい。 きょんさんが心配そうにしている。 圭太君が近くに行き、背中を摩る。 やはり年上は頼りになるな、なんてアルコールに酔いしれていた僕は呑気にそんな風に思っていた。 店長が「そろそろ締めるか」という合図とともに、 みんなでお皿を片し始める。 麗さんは眠ったまま時折起きては水を飲んでいる。 お皿を片付け終わった頃に麗さんがトイレと立ち上がる圭太君が手を差し伸べヨロけながらトイレへ向かう。 こーゆー人がモテるんだなと思っていたら、 トイレから出てきた麗さんに名前を呼ばれた。 「おやさ~ん!きて~!歩けない」赤ら顔をした麗さんが両手を伸ばし、 初めて立ち上がった、赤子のように手を広げ待っていた。 この人一つ上だよな?と思っていたけれど、 そのまま手を取っておばあちゃんを介護するように席まで案内した。 「じゃあ、これからよろしくな!みんな気をつけて帰れよ~!」という言葉とともに荷物を各々持ちお店を出てから、みんなと連絡先を交換した。 相変わらず麗さんは赤ら顔をしたまま、 きょんさんに助けられてやっと立っている状態だ。 麗さん、きょんさんそして圭太君はお店の最寄駅が地元のようで歩いて帰っていった。 中村さん、涼音さん、僕は電車の方へ向かっていった。 時間は23時を過ぎていた。
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