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~美古side~
あたしの誘惑を撥ね退けた男はトーマが初めてだった。
男なんて…女が誘えば、断らないと思っていたのに。
彼はあたしの誘いを断り、逆に説教して来た。
「・・・」
彼は長身のカラダをソファに合わせ、窮屈そうにタオルケットに包まり、眠っていた。
あたしは寝息を立てて眠る彼の顔を見つめる。
やはり、眼鏡がない方が素敵。
鼻筋も通ってるし、女性なら化粧映えしそうな顔立ちをしている。
髪の色も黒じゃなく、茶系に染めて・・・
あたしは彼の髪を弄った。
「んんっ・・・」
彼は静かに唸り、目を開けて、あたしを至近距離で視線を合わせた。
「お、お前・・・!?」
「おはよう~ダーリン」
あたしは寝ぼけた彼の唇に軽くキスした。あたしのキスで眠気を覚ましたのか、あたしをを睨み、
「俺はお前のダーリンになった覚えはない」
と怒った。
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