見習い彼女

14/37
前へ
/46ページ
次へ
「わー海近い!」 ひながはしゃいだ声を上げる。 ひなの計画で、4人の予定が合った休みの日に水族館に遊びに来たのだ。 ひなと青木さん、そして……ゆいちゃん。 普段のイメージと違う、膝丈のふんわりしたワンピースの上に薄手のカーディガン。 普段見えない白くて細い脚が覗いている。 待ち合わせの前にひなの家に連れて行って服を貸したらしい。 髪もアレンジして少しメイクもしてるみたいで……正直いつも以上に、めちゃくちゃ可愛い!! ……けど、変な男が寄ってくるんじゃないかと余計に心配も増える。 今だって周りのヤツらがチラチラ見てるような……。 「ゆいちゃん、俺から離れんなよ」 「えっ?……うん」 隣に言って声をかけると、顔を赤くして頷く。 ……俺がゆいちゃんの彼氏には到底見えないとは思うけど。 「それって一眼?」 青木さんがゆいちゃんの持っている大きなカメラを指差して聞いた。 「はい…映像の勉強の為に父に貰ったんです……でも、私あまり外に行かないのでまだほとんど撮ってなくて……」 「じゃあ今日撮れるね!」 「……はい!」 ひなの言葉にゆいちゃんが笑顔で頷く…… なんかこれだけでももう、今日来てよかったな。 ひなが強引過ぎて嫌がってるんじゃないかってちょっと心配だったけど、ちゃんと喜んでくれてるんだな。
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加