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写真を撮ったり説明を聞いたりしながら館内を一通り周って、お昼過ぎにレストランに入った。
席を取ってから券売機でチケットを買うタイプの店で、俺と青木さんで買いに行くことに。
俺が先に買って戻ると……ひなとゆいちゃんに男二人組が話しかけている。
「俺のツレに何か用っすか!?」
「リヒト!」
「……え?もしかしてこのチビが彼氏?」
男達はバカにしたように笑う。
その時丁度青木さんが帰って来た。
「……何?」
背の高い青木さんを見て納得したのか、ニヤニヤ笑いながら男達は去って行く。
「あの人達すっごい失礼!ムカつくね!?」
「…ひな、もういいから」
正直こういうのは慣れてる。
でもやっぱ……俺なんかじゃゆいちゃんには釣り合わないって実感させられる……。
気持ちを切り替えて飯を食った後、イルカのショーを見に行った。
隣で目をキラキラさせて喜ぶゆいちゃんは、やっぱり可愛くて……到底手が届かない壁を感じた。
「えっ?ひなちゃん、帰っちゃうの…?」
「ごめんね、そろそろ行かないとバイトに間に合わないから」
「じゃあ俺らも帰ろうか?」
「そんなのもったいないよ!せっかく来たんだからゆっくりして!」
……でも、俺と二人じゃまたさっきみたいな事が……。
ひなはゆいちゃんに近付いて耳元で何か言うと、青木さんと手を繋いで帰って行った。
「…どうする?ひなはああ言ってたけど、無理しなくても…」
その時……
細い指がぎゅっ と俺の手を掴んだ。
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