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夕勤が終わって、ひなはリョウ兄に連れられて帰った。
「はぁ~怖かった……」
「……そんなに?」
「……俺も幼稚園の時からリョウ兄には目の敵にされてたんすよ」
「へぇ…」
「小学校ぐらいになって俺が無害だって分かったら、今度はひなに寄ってくる男がいないか見張らされて……それで高校までずっと一緒だったんです。
今はラグビーの社会人チームのある会社に入って寮暮らしだけど、未だにリョウ兄には逆らえないんすよー」
小さい頃から植え付けられた恐怖心は思った以上に強大なんだと、つくづく思う。
「……でも、悪い人じゃなさそうだし。それにいつまでも隠し通せる訳じゃないし……」
「それはそうなんですけど……」
とにかくこの週末が早く無事に終わってほしい……そう思っていた。
……なのに……
今、俺の横には青木さん。
テーブルを挟んでその前に……ひなと……リョウ兄……。
なんでこんなことに!?
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