☆おまけ☆Rの憂鬱

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「リョウ兄……」 部屋のドアをノックして開けると……窓から外を見ながら黄昏ていた。 「リョウ兄ごめん……でも、俺青木さんならひなのこと大事にしてくれるって思ったから……」 「分かってるよ。二人を見たら、あの男が悪いヤツじゃないってのは分かる。それにひなも幸せそうだ…」 ……あれは高2の時。 同じクラスのヤツがひなに告ると宣言していた。 ひなも噂を聞いて、けっこう嬉しそうだったんだ。 でも俺は、そいつが裏で言ってるのを聞いてしまった。 『元カノ?まだ別れてないけど、そのうち切れるだろ』 『それで澤に告ってフタマタ?』 『澤はとりあえず可愛いし?一回ヤってみてそれからだな』 ……それでリョウ兄に相談したら、殴り込みに行った。 おかげでひなには何もなかったのだが……。 『これからもひなのことを頼むぞ!悪い虫が近付いてきたらすぐに報告しろ!』 ……そしてまだ、続きがある。 その男が俺に逆恨みして、仕返しに来た。 3人がかりで殴りかかられて歯が立たなかった…。 『おい!お前ら何やってんだ!?』 助けてくれたのはリョウ兄だった。 『リヒトは俺の大事な弟同然なんだよ!次手出したらどうなるか分かってるな!?』 ……いつもそう。 リョウ兄は優しくて強くて、俺達のヒーローみたいな存在だったんだ。
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