見習い彼女

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笹野さんもそろそろ一人立ち出来そうだということで、シフトを三人体制から二人に減らすことになった。 「これから笹野ちゃんは染井くんとシフト入ってもらうからな」 予想もしてなかったオーナーの言葉。 「え!?俺とだけっすか!?な、なんで??」 「いや、澤ちゃんやアイちゃんと入ってるとナンパや変な男が多いみたいでな。あの通り人が苦手な子だけど、染井くんには懐いてるしな」 笑いながら言うオーナーに、気になってたことを聞いてみた。 「……なんで人が苦手なのに、コンビニバイトなんか?」 「……ここだけの話、あの子は昔イジメに遭ったらしいんだよ。それですっかり人が苦手になったんだと。でも、なんとか変わりたいと思って一番近いウチに面接に来たらしい」 ……笹野さんに、そんなことが……。 応援してあげたいんだとオーナーは笑う。 人情に厚いオーナーらしい。 「……でも、オーナー一緒にシフト入らないっすよね?」 「ああ、だから笹野ちゃんのこと頼んだぞ!」 「……まぁいいですけど……」 ……ということで、俺は週3で笹野さんと一緒にバイトに入ることになった。 そうなると自然に話す機会も増える。 「そういえば、高3ってことは受験生?」 「……あ……私、専門学校に行くって決めてて……」 「へぇ!何の?」 「映像関係です……将来映画を作りたくて……」 「マジで!?すげー!!しっかりした夢持っててすげーなぁ。もしかして、あの好きな映画監督の影響?」 「……はい!」
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