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☆おまけ☆Rの憂鬱
それはゆいちゃんがバイトを始めてまだ間もない時の話……。
俺はバイト先のコンビニの扉を勢いよく押し開けて店内に入った。
当然レジにいた青木さんは、驚いた表情でこっちを見ている。
「青木さん!!逃げて下さい!!」
「…………は?」
「ああもう!詳しく説明してる暇は……っていうかひなは!?」
「今休憩中だけど……」
あまりの恐怖に頭がパニクっている。
…だから、その人がもうすぐそこに迫っていることに気が付いていなかった。
「リヒト!!」
大きな声が店内に響き渡って、思わず体が跳ねた。
……店内に他のお客さんがいなくてよかった……。
「なんで逃げるんだ?何かやましいことでも…」
「ひぃっ」
思わず後ずさると、ただならぬ状況を察した青木さんが前に出て来てくれた。
「お客様、店内で大声を出されては困ります」
青木さんは背が高いから、迫力では負けていない。
二人の間に火花が飛び散ったように見えた……その時。
「休憩いただきました~。あれ?リヒト何してんの?」
「……ひな……!!」
今出てくるな……と言う暇もなかった。
ひなの目がその人を捉えて見開く。
「え!?なんで!?お兄ちゃん!!」
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