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わたしA子、2人して殺されたの
「今晩は、田中さん。はじめまして」。
六人の奇跡の美少女たちがいっせいに口を開く。何とか本人を見つけようと身を廻らすが果たせない。しかしそんな私に頓着せず両腕を揉み拉きながら彼女は私にこう告げた。
「まあ、何て素敵な水晶のお部屋でしょう!」。心から感動したような、夢見るような面持ちである。「田中さん、こんな美しい‘心’をお持ちなのね。うふふ、御免なさい。あんまり素敵だったから、私、勝手に入って来てしまいました」
「君は…誰だ?どこにいる?隠れてないで姿を見せておくれ」
「いや!捜さないで。襲われたら嫌だから、私、隠れてる。うふふ。私、名前はA子。未成年だから新聞に書かれた時はアルファベットだったの。だから今もそう名乗ってるのよ。高校三年生よ」
「新聞に?載ったのかい?何か悪い…いや、その、不都合なことでもして」
「うーん、それは…。たかりだったかしら。親父狩りって云うか、援交するふりをしてお金だけ取ってたみたい」
「何!?親父狩り!?」
急に怖くなって私は辺りを見廻した。天使に見紛う、眼前のこの美少女からは想像し憎かったが、まさか仲間の悪がきどもでも引き連れて入っていはしまいかと危惧されたからだ。しかしA子と自らを名乗る美少女はすぐにそれと察して、
「ううん、平気平気。私のほか誰もいやしないわ。綺麗な‘心の中’にお悪さんたちなんか、入れやしないから。それに援交してたって云うのも私じゃなくって、B子って云う女の子のことなの。私の親友よ。私、B子たち家出少女仲間と間違われて…。二人して殺されたとき…」
「ええっ!?殺された!?」
【渋谷少女Aのイメージです】
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