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この島に生まれ、この島に育ち、今高校2年生。
置浜っ子なんて呼ばれて、少ない子供たちはかわいがられる。
私は濱西 夏葵(ハマニシ ナツキ)
お父さんが置浜島で育ってて、東京に働きに出てる先でお母さんと出会い、この島に戻って、私が生まれた。
お母さんは根っからの東京の人。最初、こんな小さい島に住むなんて考えもしてなかったって言ってたけど、住んでみたら案外悪くなかった、なんて言ってる。
あとは、妹が1人いる。穂風(ホノカ)っていう中学3年生。世間的に言ったら、受験生みたいだけど、置浜では、中学も高校もたった1つ。受験っていう形式はとるみたいだけど、落とすっていう選択肢はないみたい。だから、来年からは同じ学校ってこと。
そして私の通う置浜高校。置高、置高いわれてて、そこに通う私たちは置高生。
高校はもちろん1クラス。島から出て、高レベルの進学校に進みますっていう人以外は基本的にここ。
だから、周りのみんな幼馴染みたいなもん。
小さい頃から遊んでるから、みんな仲がいい。
近所の人も優しくて、登下校で歩いてれば、朝はおはよう~今日もがんばってね~って声掛けてくれるし、帰り道も夏はちょっと寄っていきなって麦茶をくれたり、みんなで食べなってアイスをくれたりする。
雨の日は雨宿りさせてもらったり、寒い冬はこたつに入って、そこから動きたくなくなっちゃったり。
置浜はとっても幸せな島だなって思ってる。
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