この島と私

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和也の背中が遠くなっていく。 菜々帆がくれたのはピンチだと思ってた。 でもこれってチャンスなのかな。 これって一生後悔するやつかな。 気づいたら私は和也を呼び止めていた。 「あのさ。」 「ん?」 「私が言いたかったのはそんなことじゃなくて。あの。えーと。」 「うん。」 「好きなんだよね。」 「うん。」 「え?」 「ん?」 「いや、なんか言ってよ。」 「俺も。」 「え?」 「いや、だから。俺も好きだって。」 「うそ。」 「ほんと。」 「冗談上手だよね、昔から。」 「俺のことわかってるなら、この顔冗談言ってないってわかんない?」 「わっかんないなぁー笑笑」 「はいはい。じゃあ、これなら?」 そっと抱きしめられた。 「えっ、ちょっと。」 「わかんないっていうから。わかった?」 「うん。」 そのまま少しだけ時が止まった。
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