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和也の背中が遠くなっていく。
菜々帆がくれたのはピンチだと思ってた。
でもこれってチャンスなのかな。
これって一生後悔するやつかな。
気づいたら私は和也を呼び止めていた。
「あのさ。」
「ん?」
「私が言いたかったのはそんなことじゃなくて。あの。えーと。」
「うん。」
「好きなんだよね。」
「うん。」
「え?」
「ん?」
「いや、なんか言ってよ。」
「俺も。」
「え?」
「いや、だから。俺も好きだって。」
「うそ。」
「ほんと。」
「冗談上手だよね、昔から。」
「俺のことわかってるなら、この顔冗談言ってないってわかんない?」
「わっかんないなぁー笑笑」
「はいはい。じゃあ、これなら?」
そっと抱きしめられた。
「えっ、ちょっと。」
「わかんないっていうから。わかった?」
「うん。」
そのまま少しだけ時が止まった。
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